企業は社会的存在とはよく言われる言葉です。中小企業の場合、創業者一族のものと考えられがちですが、社会的存在であります。一代限りで終わらせることで、社会的影響も多々出てきます。やはり、長期的な視野を持ち、健全な姿で社会に残さなくていけません。
事業承継の持つ一般的な意味は、後継者へのスムーズな移管ですが、どうしても経営者の方ご自身がお亡くなりになった場合を想定しなくてはならないので、気が進まず一日延ばしになってしまうというのが現状です。
しかし、経営者の方が、生前対策をしないまま急逝されてしまった場合、残された企業の混乱は必至です。そうならないためにも一日も早く対策を講じる必要があります。
1.環境を知ること
激動する社会情勢を的確に捉えることが必要となります。人材の確保や株式の取り扱い税制の変化を含めて、その業界の将来の構図を予測する必要があります。
2.現状分析
・企業
どのような人が企業を承継するのに適切か考えます。また、今後の自社の商品構成・販売サイクルを再考したり資金繰りを考える必要があります。
・個人
中小企業の経営者は、会社が倒産すれば、個人の財産もなくなってしまうし。また、個人の財産がなくなれば金融機関等に連帯保証していることに対する担保力、信用力がなくなってしまいます。個人の相続税の支払い等がかさむことにより企業を危機に陥れることにもなります。このためにもあらかじめ相続税の試算をし、相続税の節税を図ることが必要になります。
3.長期的な構想をもつ
このようなことを総合的に考えて事業承継を進めていくのは、一個人では限界があります。これから真剣に考えていきたいという方の、よきアドバイザーになることができれば幸いです。
(参考文献『戦略的事業承継』TKC出版)